松原先生ネットエスキス

6/21、6/30は片平にて小野田先生によるエスキスが行われました。
コンセプト提案から飛躍して、次のレベルでのディティースタディ、どの班も面白くなりそうです!
今日の内容をふまえて、松原先生に内容を報告させていただきます。

(後ほど付け足し)



■1班目
Team Table(新藤、片桐、中村、青島)

お世話になっております。Team Tableです。

中間講評会の際に発表したオフィスランドスケープ型のアイデアを、テーブルを製作するという観点から具体化し、現在は各プログラムはこのように展開するプランに至っています。
(模型はgoban tube周りのstudyゾーンとrestingゾーン)


Tableは滑らかな傾斜をつけるのではなく、高さ方向で3段階に分けて、各々の高さで行為を与えるつくりにしました。
3種類の高さの木材スラブ面(FL+400(ピンク)、+700(青)、+1000(緑))は、1220×2440の規格の合板を5通りにカットした全10種類の部材をピース状にして組み合わせでできており、
7F常駐スタッフと利用者の視線を遮る事なく、各々の行為・WS・催し毎等をゆるやかに分割するかたちで全体が構成されています。


ぱっと見て面白くなりそう。ピースを整理し、レベルをそろえたのがよかった。多様なようでいて実は整理されているところがいいと思います。


<+400>
シナランバーコアt=20 UC
軟質ウレタンフォームt=6
硬質ウレタンフォームt=7
ラワン合板t=10

行為:座る、+700との間において本棚、スラブ下引き出し収納(特にオフィス部)


ランバーコアにウレタンクリア塗装はそれだけで成り立ちます。しかしウレタンフォームが素地で出ていることはないので、なにか塗装なりカバーがつくはずです。ウレタンフォームについてイメージがちゃんと具体的になってますか?ウレタンフォームはテーブルトップ全面になくてもいいわけでしょう?クッションみたいに部分的に置かれたり、座面になるところに下のランバーコアと接着してくっついてカバーがそれにつくような在り方でもいいです。
ラワン合板もそのうえに何か塗装なり貼りモノが出てくると思うけど。あるいは無理してラワン合板を使わず全部ランバーコアにするとか、あるいはその逆もあり得ます。ここでシナランバーとラワン合板の2種類の木板を使う根拠がわからない。


<+700>
ラワン合板t=12小口テープ貼り
構造用OSBt=12

行為:FLにいすを置いた場合の作業用天板、+400に座った際の作業用天板、+1000との間での本棚、資料置き、等


これは合板とOSBのどちらかが天板でどちらかが縦の支持材ということでしょうか。なぜ2つの異なる材料を使うのかがわからない。
どうやら3つのレベルの天板を変えたいということのようですね。それならそれはいいんだけど、その場合、縦の支持材は材料を1つにし、水平の面材だけを材料を切り替えたほうがコンセプトが明確になると思います。


<+1000>
ラワンフラッシュt=12 OS小口テープ貼り

行為:立ちながらの筆記・雑談、カフェカウンター、本棚、等


カウンターが厚12って結構薄いですよ。普通30−40くらいはあるもんです。反りも気になるし。今の7階のラブグローブ設計の緑のカウンタートップや書架天板も30くらいはあるんじゃないかな


木材の固定には、十字型にリブを入れる事を考えています。
リブ:ランバーコアt=24


この模型写真と最初の色分けされた平面図の関係がよくわからないんだけど、一番上は水平材がついてこのように縦材が目立つことはないと考えていいですよね?縦リブを全部ランバーコアt24で作るように考えたらどうですか。あまり余計な材料を他に入れない。水平のレベルは3つあり、素材も違うが、厚はみな同じ24or30程度でそろえている、というのがエレガントだと思います。



天井については、旧オフィス部のFL+2978のルーバーをそのまま全体に延長させています(天伏図有)。
ルーバーの素材については、現行のMバーを全体に延長させるか、木製のルーバーに変更するのか、検討中です。


天井が木製の場合は不燃処理が必要。お金を気にしなければ木製もありえるでしょう。事実上あまりありえないよね。家具のカウンタートップは建築の内装仕上げではないので、不燃処理を必要とせず、そのまま木を使っても問題ありません。
それから、床の素材はどうなりますか。3レベルの天板が木色だと、床のカーペットも木色にするとか、あるいは床を実際フローリングにするとかはできます。どういう考えで床素材を決めるかはっきりさせて、それにあわせて詳細化するといいでしょう。もともとの「知のガーデン」をどうとらえ直すかがあなたたちに問われています。


照明については、直径150mm〜350mの大きさの、伸縮・取り外し可能な丸形ペンダントライトを考えています(パナソニック電工)。
設置方法は、ルーバーから吊るし、1500mmピッチで配置しています。


この照明を使うのは面白そうですね。正確に言うと「ルーバーから釣る」のではなく「ルーバーとルーバーの間の下地から釣る」んでしょう。
照明を地面の高低差に合わせて波打たせて設置して見せるのか、あえて同じ大きさで小さめの照明を多めに設置して定禅寺通りから見たときに大きな発光面として見せるのか、いろんなやり方があります。方針を決めて、それにふさわしい器具の大きさとピッチ(とできれば照度確認)を決めてください。昔山口県萩市に行ったとき、萩市民館というのを見ました。菊竹さんの設計で照明はまだ当時かけだしだった石井幹子さんで、あの照明がすごかったですね。中心のコアから放射状に電線をメッシュでかけわたして、それに裸電球がついていて点灯すると見事に曲面の光の面を作るんです。ああいうシンプルな工夫でも強い設計の意図を表出できる。以下に写真があります。
http://www.city.hagi.lg.jp/furusato/network/pdf/200109.pdf#search='萩市民館 石井幹子'



<左パース>
Cafe右より、会議室を見る。
会議室はガラスボックスでできており、その外皮を100mm間隔で垂直方向にルーバーが伸びており、+400、+700、+1000の高さの部分は他の機能の場と同様に、Tableが伸びていくかたちを考えています。


まだ無駄なスペースが多い気がする。テーブルの面が大きすぎて使えない面が広すぎないですか?もっとテーブル面を細長くして接触長さを大きくしてなるべく多くの人がテーブルなり椅子に近づけるようにしないとまずいと思います。


<右パース>
goban tubeのstudyゾーンから東側presentation spaceを見る。
今までスタジオA部で見られたような、専門的な内容を行っているWSなどの脇を第3者が通っていた風景に対して、この提案の場合は、滞在しながら(ex.勉強しながら、軽く座って話し合いながら)WSの様子を窺うことができるようになります。


パース奥のボードの前にたまっている人の群れは地面に座っているんでしょうか?それはないんじゃないか。椅子にすわって+700の机をうまくかませるか、+400のに座らせるかしないと。


現在考えている、今後2週間余りでブラッシュアップして行く点・作業項目としては、
・南面のファサードの美しさと人の流動性を保つために、南面を塞ぐかたちで敷き詰めているテーブルを調節する。
・あまり整理出来ていないリブの構造を整える。
・現行提案の天井、照明、床材、テーブルと、多様なデザインコードが占めている空間に対して、統一感を出すために、色調を揃える・機能を絡ませる等の操作をする。


南面以外の3面は、積極的に2人掛けできる浅い+700とか+1000のレベルの机を設けて、窓に向かって作業できる面を確保するのはありかと思います。これは他の階にあまり空間の使い方だし。縦リブは思い切って割り切ってあるグリッドにあわせて立てて、それがうまく間引かれながら、何種類かに整理された雲型のカウンタートップがジグソーパズルのようにくっつきあうのを支える、というあたりが美しいありかたではないでしょうか。


直近では、1/50の全体模型で主に動線など全体の納まりを検討しつつ、1/20模型でリブの検討とよりヒューマンなスケールでの1シーンの想定を行うスタディをする予定です。


あらためて最初の全体平面図を見てください。この案のポイントは、この平面図でぱっとみなさんの設計意図が伝わらないとだめです。そのための着目点はおそらく、「AVシアター」よりも、「チューブ」に対してどういう考えでこのテーブルを並べるか、ということじゃないかと思う。ああ、こういう意図でこういうテーブル群を並べたのね、ということがぱっとわかるようなものをもう一度目指してみてください。外周に薄いテーブルがまわっていてそれ以外はチューブのまわりにテーブルが立体的に絡まっているとか、あるいは13本のチューブ以外にチューブ的にテーブルが集まっていてあたかも18本チューブがあるように見えるとか。この全体配置を雰囲気で決めず、なにか強い意志でもって並べられれば、これを「その場所にふさわしい」と言いきれると思う。テーマを忘れない。私の質問に答えてください。質問は「その場所にふさわしい」空間をつくることですよ。頭の中で抽象的になりすぎないよう、SMTの7階の写真をもう一回見て、うまく平面図であなたたちの意図を示してほしい。がんばってください。


2班目以降は次のログで。