松原先生ネットエスキスーすずめ食堂

■2班目
チーム・すずめ食堂(北本直裕、佐藤知、平野晴香、山田哲也)
ネットチェック、よろしくお願いいたします。


チーム名がよくない。もっとストレートに実現したい空間の名前を、知らない人にも共有できるような形でつけたほうがいい。


下記、6月14日の松原先生エスキス内のメモになります。


〈プログラム〉
・オフィスをなくすわけにはいかない
・プログラムをどうインテグレートするか

〈図式〉
・アメーバが震災によって壊れた→アメーバから新しい図式へ転換する理由づけとして、box性を高める方向へ。
・建築と細部を共有するために、キューブというデザインキーワードを共通させるべき。不動点を増やす方向へ。

〈空間〉
・キューブの図式を強める設計をしろ(床、壁、天井、家具、照明)
・家具と照明の一体となったようなデザイン(P:設備的な家具、対してのブラックボックス
・演出の仕方をもっと考えてみては。

・状況的な判断はダメだ、もっと長期的な判断をくださなければいけない。



※前半は6月14日のエスキスを踏まえ、その後のエスキスをまとめたモノになります。



なかなか前振りが長いですね…早くどうするかを示してもらったほうがいい。プロセスも重要ですが、結局我々に一番大事なのは設計したその結果です。問題をどう解いたかを最初に延々と語らず、まずあなたの出した答えを教えてほしい。


1、内外を隔てる閉じたアメーバ壁から活動を開くL字壁へ

  • fig1

以前は空間を隔てるアメーバのような壁によって領域が二分化していた。有機体のもつ曲線が膨らむことで〈場〉をつくっていた。

  • fig2

私たちの計画では、より活発な制作・発信・交流を狙い、フロアを一度漂白して、新たな領域つくりを試みる。

  • fig3,4

ルールは既存の壁体から、〈Tubeを内包するように、L字の壁体を切り取る〉。このL字壁とTubeの対関係は、未完結な空間を次々に生む。

  • fig5,6

ところどころL字の壁体が残されたことで、Tubeまわりに〈場〉が形成される。〈活動を開いて、変化する領域を生み出す〉働きをするTubeへ。Tubeを内包した図式が誕生する。


「アメーバ」に対して「L」というのはいいと思います。「アメーバ」が2つの領域を強くわけすぎていたから複数の半開放的な「L」で機能を分け直すというのもいい。あとはなぜ50m四方のここにこれだけの数の「L」がばらまかれたのかということがうまくダイヤグラムで言えればいいんじゃないでしょうか。


2、Tube×Grid
従来のGridシステムは、空間の文節だけでなく、Tubeのリズムにも調和していることから、設備や固定家具の配置はこのGridに沿った3段階の大きさををもつL字システムで展開させる予定。


3、3段階のL字システム
L_size:7Fを大きく領域づける
M_size:設備や照明を取り込んだデザインの固定家具
S_size:可動する家具(現在のsmtに備えられている家具)


L型とスケールのLが用語がだぶっているのは説明上損ですね。この話はなくてもいいんじゃないの。


形態操作とプログラムの関係性


やっぱりこの絵わかりづらいな。左の001図面で黒く塗られているのが閉じたスペースで白いのが開放的なスペースだとしたら、右の003図面も白い平面の中に黒なりグレーなりの閉じた/半分閉じたスペースが表示されているようなものにしないとだめじゃないかと思います。今の003図の全体がグレーの床と黒の壁という書き方はやめて、基本的には白い床にL型壁が立っており、壁のそばが黒でLの外に向かうにつれてグレーから白に代わる、というような絵にしたらどうですか。黒と白が中と外ではっきりわかれている図式から、細かく分かれたLスペースがなるべく黒白を混ぜている、というようなことがこの2枚の比較ですぱっと言えないと。諸機能を色の違う線と文字で書いているのもこの図をわかりづらくしていると思います。それは別の図で描いてもいいんじゃないかと。おそらく次の「機能の入れ替え図」としてまとめたほうがいい。1つの図にいろんなことを重ねすぎててわかりづらくなってると思います。

  • fig1

以前7Fのスキマ空間で行なわれていた顧客たちのアクティビティ、〈固定化が際立っていた。

  • fig2予約時に借りられる家具はHP上でリスト化されいつでもチェック可能。使用者が自分でレイアウト出来る上、カタログでも対応する。
  • fig3

前年から予約するビッグイベントを知り、他団体が被せて1ヶ月前に他のイベントを、前日に個人でイベントをしかけたり今までになかった戦略的な運営システムを提案する。

  • fig4

同時多発的なイベントの発生は、継続的に企画者間の成長を促し、アクティビティの精度は急上昇していくことになるはである。

  • fig5

〈●は家具や設備〉導入の初期段階では、おそらく顧客の領域意識が抜けずに、なんとなくお互いのアクティビティを視線で交換する程度になる。

  • fig6

システムに慣れると、各団体間の評価で交流が生まれ、〈smt内の団体と個人〉、〈団体と団体で企画を主催する〉という第二段階の運営システムが生まれる。


機能の入れ替え/見直しを行う。


この絵もわかりづらい。要はLスペースという最初の大事な概念が表現されていない図面にこのトピックだけを描きこんでいるから他の概念との関係がわからないし、余計な情報ばかりが気になる。黄色い点線などいらないでしょうし、青い色がいくつかあるのもわかりづらい。まずもって描きこんでいるベースになる平面図がLスペースを表していないのが問題だ。

 このへん、アウトプットの質は低くないのに、ようはメンバーがばらばらにやっているから全体のチームとしての案の訴求力が落ちてるんですな。最初のコンセプトをもっと共有し、それにみなが向かって作業しないとだめです。ソツはないけどつまらないことになっては、グループでやっている意味はない。わかりますかね私の言いたいことが。


主として、2Fの映像音響ライブラリ、雑誌類と7Fのオフィスの入れ替えで、その他に7Fに新しくすずめ食堂などの機能を追加する。
7Fのアメーバ外の空間は、使われ方が東部分に偏っていたため、アクティビティが全体的に広がるようにL.size ,M.size家具を配置していく。

まず、L.size:壁によって大きく領域を分ける。
劇場系   (南西)
バックヤード(北西)
映像系   (北東)
展示系   (東)
スタジオ  (南東)
食堂    (中心)


そして、その周辺に関連性の強い機能を備えたM.size:設備家具をチューブ間に配置することで一般の人が自由に7Fを動き回れる環境を与える。


  • 1.ラウンジ

ラウンジではメイン動線からの流れを一旦引き込み、各イベントへと分散させる家具配置を行なう。Mサイズ家具に雑誌の展示機能とアーカイブ機能を割り振り、求心性を持たせメインエントランスからの流れに1クッション緩衝帯を置く。この場所「伊東氏お気に入り」というパネルが置かれている事からも眺めが良い場所であるため、家具は低めに抑えてあり、出口へ向かう際にも視線を遮らず、かつ雑誌等が目に入りやすいようになっている。

  • 2.すずめ食堂

食堂部分は動線をまたぐように大きく領域をつくり、動きのある場とした。食堂西側にある家具は、チューブからはみだすように配置することで、誘い込むような動線をつくりつつ、アイストップとなるようにしてある。座面の高さは400mm程度、奥行きはゆるやかに傾斜する背もたれと合わせて600mmにし、家具の置き方(机を置くか椅子を置くかによって)椅子にも机にもなるような寸法にする。映画祭などの大規模なイベントの際にはカウンターとしても使用する。

  • 3.映像音響ライブラリー

L字壁と受付カウンターによって、バリアの様に少し強めの領域分けをし、同時に動線を分ける。北側の家具にはプロジェクターやスピーカー等の設備を備える。

  • 4.

5番チューブからアクセスした際、9番チューブが見えるように東西方向の家具の高さを抑えてある。

  • 5.

8番チューブは内側外側の明暗により、外からは反射して見えにくく、中からは視線が通る。

  • 6.

機能の強い領域の中間にある場所で、家具によって動線をキューブの内側に曲げてある。この家具もプロジェクターなどの機能が埋め込んである。

  • 7.

掲示にも使える本棚は、数人でミーティングを行なう際の小さな領域作りにもなる。

  • 8.

動線はが交差しないようになっている。カフェからシアターへのサービス動線も確保してある。


この平面図兼照明計画図がとても重要です。今のこの絵はまだ十分にLスペースを強調できてない。もっとLスペースを全面に出すように考え直してほしい。位置と大きさはどうやらそれなりに考えられているようですからいいとして、もっとLがはっきり見える平面図と照明計画にしてください。

たとえば、AVシアターの南西のL照明はないほうがいいでしょう。シアターの東壁と北壁を強調しLスペースとしてライン照明をきちんと北側にも入れ、南と西の壁をなるべく弱くして別の照明システムにするなど考えたほうがいい。
 その北側のキッチンもL型の壁はあるんだから、そのL型の壁をしっかり描いてカウンターはもっとぼかして描く(点線化するとか)。
 その東側の映写室会議室も、きちんと一番外側の壁を厚めに描いてLを見せてさ、南側の倉庫の東壁や北壁を細めに描いてL型を強調する。
 オフィスとギャラリーのところのヨコ倒れのL型も同じ、Lの壁を太く描いて西側の部屋の南壁と東壁は細く描く。スタジオも同じ。

まずLがはっきり出るダイヤグラム的平面図を描いて、それに照明システムを乗せてみる。L壁の外側に天井スリットで壁をウォールウォッシャー的に照らすなどしてL壁が輝いていて、それ以外は間接照明にするとか点光源にするとかして、最初のLスペースコンセプトをうまく強調するように照明計画を貢献させないと。今のこの絵は、平面図ダイヤグラムとしてもL型が見えてきづらいあいまいなものだし、照明はその機能ごとに場当たり的に決められていてLスペースのコンセプトを強めるどころか弱めてしまっている。結果としていくつかのアイデアがごった煮になったはっきりしない案になってしまっています。
  

照明計画について

キューブの図式を強める照明のコンセプトが決まっているので、上図のようににライティングの検討をしている段階です。現在は商品カタログや内装の利用例もとに、少しラグジュアリーな演出の仕方を考えています。


上に描いた通りです。L壁を強調する照明システムがまずあり、それ以外の照明システムがある。それ以外のシステムが多すぎると、L壁の照明が目立たなくなるので注意。L壁の照明は天井スリットでウォールウォッシャーでもいいし、壁自体がガラスでできていて内側に照明を仕込んで面発光させてもいいし、いろいろ考えられるはずです。



サイン計画について

直行するグリッドで作られたL字の壁の空間に合わせて、垂直と平行な直線によって構成されるフォントを作りました。これをもとにサイン計画も考えていきたいと考えています。現在、すずめ食堂のロゴも制作中です。



フォントのデータはうまく表示されないようです。まあそういうのも大事ですからいい案を出してください。


以下、6月30日の小野田先生エスキスのメモになります。

・家具に違和感 → 普通のスケールがもったいない(家具の出し入れで劇的)
・空間を面白くおもしろく → 魅力は何?
・今までと使われ方としてどう違うのかわからない
・床レベルの操作をしよう
・活動を誘導する方法が弱い
・チューブとの対応を優先しすぎて、コンセプトとしての面白さをつめれていない
・スケールが言語的(スケール/空間で活動を促す)
・Mサイズ家具のデザインをデカクしてもいいんじゃない?



床レベルを上げ下げするのはどうかな。床の素材はなんですか?L型壁があり、そこで囲われた長方形はある色のカーペットでそれ以外は別の色というようにして四角を視覚的に区別しながらレベルと素材は一緒、というような形もありかと思います。L型の四角の中と外で天井を変えるのもありでしょうね。

チューブとの対応も重要ですが、重要なのは、あなたたちがチューブ以外に、アメーバに代わるLスペースを発見したということなんだから、そのLスペースをいかに魅力的に見せるかということなんじゃないでしょうか。Lスペースを挿入したことで、他の階にはないチューブと対比的ななにかスペースが生まれれば、それはその場所にふさわしい場所、として言い切ってもいい。そのために必要なダイヤグラムを逆算して描き起こしなさい。空間として魅力的にできるかどうかはまだ今の段階ではわかりません。がんばってこの方向でやってみるしかないですよ。


では、よろしくお願いいたします。