7/19 最終講評会@smt

7月19日にせんだいメディアテークオープンスクエアにて、せんだいスタジオ、設計Dの合同最終講評会が行われました。本年度は東北大学から4人×3チームの作品が発表されました。

今回の最終講評会には、スタジオマスターの松原弘典先生・小野田泰明教授以外にも、設計Dのスタジオマスターであられるヨコミゾマコト先生他、多くの方にお越し頂きました。
http://recorder311.smt.jp/movie/1831

まず、松原先生からの課題説明で講評スタート。
せんだいメディアテークの改修を通して「その場にふさわしい」空間を考える。』
天井が壊れてしまったメディアテークの7階と、2010年の開館10周年のときに配置換えを行った2階のプログラムの組み直しと再設計を行うというものです。


ランナーズハイ
7階の床をあげることで丘をつくり、キッチンと共に中心的な場を作り出すという提案。シアターと連携して丘を使用したり、丘で行われる新しいアクティビティを想定した。丘ができることによる「意味」が浅く、それを重ねて行けば案が深まるのではないか。ヨコミゾ先生からも、床を上げることに関して、分析と根拠が足りないのではないか。等の指摘。ラストスパートが凄かったので、もっと早めにアイディアが固まっていたらより面白くなったかもしれないですね。



■すずめ食堂
3段階のL字システム(L_size:7Fを大きく領域づける/M_size:設備や照明を取り込んだデザインの固定家具/S_size:現在のsmtに備えられている可動家具)により空間を作り出すという提案。発見した図式は面白いが、提案として空間を解く過程で良さが失われてしまったのではないか。M壁などのルールが逆に説明を分かりづらくしており、空間の豊かさの障害ともなっている。新しい予約の仕方などのストーリーから新しい空間と使われ方を提案しても良かったのでは?等の指摘



■テーブル
合板を5通りにカットした部材を組み合わせることでテーブルをつくり、オフィスランドスケープを作り出すという提案。1/2家具を制作したり、照明の提案などから、一見してスタジオの意図をよく理解した提案であるなという印象を受けた。最初の方針が一貫して、少しずつ進化していったチームである。講評としては、テーブルの高さの設定が普通であることから、使い方も普通の家具になっている。大きさや厚さでもっと多様性を作ることができたかもしれない。モジュロールを研究して作ったり、床や天井も同様のアイディアで構成するなど、やりきっても良かったかも。等



松原先生による全体のまとめとしては、3点。

1細かい観察力
インテリアの作業ということもあり、いかに細かく物事を把握できるか。ということが重要であった。建築は、周りに対する視線の細かさが要求される仕事である。

2面白くあること
ぱっと見て意図が込められていることが見える、というのが大事。真面目に解けているだけであったり、つまらなくてはダメ。

3分析=設計
その場にふさわしいものとは何なのか、考えて欲しい。内装をやっただけでもいろんなことが分かったのではないか。いろんな問題を同時にリンクさせながら、1つのものとして見せていく。現状の分析に対しての問いかけ、分析をどうするかで立ち位置が決まる。分析から設計が始まるという意識をもつ。




最後に
今年の設計は修士1年前期設計課題初の内装設計ということで、難しい課題だったと思います。
私もちゃんと内装に取り組んだことが無く、どうアドバイスしていいか分かりませんでした。
しかし、それぞれ異なる視点での提案となり、かつ設備の不安定な中、無事課題が終わったことに大変感動しました。

修士1年でやるグループワークはどうだったでしょうか?昨年のトルコスタジオでは、ものすごく悩んだり、反省したり、成長を実感できたり、自分を見直すいい機会になったと思っています。今回のように限られた時間での設計を行う際は、他人の長所短所を早めに見極めて、それを最高に活かす振る舞いができれば良いのかな、と個人的には思っています。

スタジオマスターの松原弘典先生、小野田先生、メディアテークの皆様、今回の課題・講評会に参加してくださった先生方、本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。赤垣