松原よりご挨拶

松原です。
そろそろそちらは夏休みでしょうか。どうもお疲れ様でした。
ブログを見る限り、充分日中交流して終わったようですね。


東北大での講評会は盛会で大変よかったです。石田先生が清華大の
設計作品がオランダの大学と似ていて、重慶大が中国の独特な
ローカル風だとおっしゃっていたのが印象的でした。そう言われると
今は学校ごとのちがいのほうが、国ごとの違いより大きい時代なの
ですね。すこし前まで中国の大学がみな同じような風に見えていたの
とは雲泥の差です。


東北大(というか私の本務校の慶應SFCも念頭に置いていますが)の
日本学生も、コンピュータスキルをもっとつけていかないとあっと
いうまに中国の大学生に追い越されてしまうんじゃないでしょうか。
模型はいっぱい作っていても(清華大の許先生が、いやうちの学生は
模型を作らないでCGだけなので困るんです、と笑っておっしゃって
ましたけれど)意味のない模型は無駄だし、CGでスタディできないのは
これからの時代、致命的になってくると思います。


私も今年で東北大の非常勤を3年やらせていただいたんですが、通常は
2年までということで、今年は例外的に残って関わっておりました。
2年目に清華大との関係がうまく作れたので、それをつなげるための
措置です。小野田先生の巧妙な根回しで小さなきっかけが大きい
国際交流になりつつあります。さらに今年は中国側で面白いプログラムを
作ってくれて、私も洛陽にも行けたし、「地面下7mのところに1000年前の
都市が埋まっている」という状況をすこし理解できたのは収穫でした。
来年以降どういう形になるかは、私はよく預かり知らないですが、
清華大のほうではまた別の企画を考えてくれているようだし、きっと
面白く転がっていくんじゃないでしょうか。ぜひこのブログも引き継いで
いただければうれしいですね。そうすれば私も来年度以降外から眺める
ことができますし。


それから、7月末に私は北京に関する本を出しました。みなさん行かれた
場所ですし、興味のある方は是非ご覧ください。8月24日にはメディア
テークでこの書籍に関する小さなイベントも企画されています。
是非そこでもお会いできるとうれしいです。


「北京論―10の都市文化案内」
松原 弘典(著), 淺川 敏(写真)
発行:リミックスポイント (2008/07)
発売:丸善
判型:210×165、204ページ
価格(税込):1890円


是非よろしくお願いいたします。
みなさんのさらなるご発展をお祈りしています。
またどこかでお会いしましょう。


松原弘典/北京