課題概要/勉強会概要
課題の概要と勉強会の概要をアップします。
「東北大学大学院 中国スタジオ2006」
スタジオマスター 松原弘典+小野田泰明
●身近な構法を利用した北京の四合院の建て替え設計
●課題主旨:
北京の中心地の具体的な敷地で四合院の建て替え設計をする。
対象敷地はあまり理想的でない状況で四合院がいまなお多数残っている場所にあり、ここの四合院を持っている中国人の施主から、各履修者に建て替えの依頼がきたという想定で設計をしてもらう。架空の施主を何組かこちらで用意するので、各施主の依頼条件や途中の設計案への意見も聞きながら最終的に各履修者に設計をまとめてもらうことにする。
敷地は町の中心部に立地し高さや容積に関する条件が厳しい。一方外観についてはある程度の守るべきコードが指定されているが、完全な歴史保存地区というわけでもないのでそのあたりは融通が利く部分もある。北京の四合院で慣習的に使われている建築上の要素(これについては初回で松原より説明する)を、どこまで仙台にいる自分の側に引き寄せて読み直すことができるかが各履修者に求められる最も重要な点になる。中庭型住居をどう現代的に再生できるのかを、自分の身の回りの構法から考えることでリアルに提案してほしい。仙台にいて、あるいは一度も中国に行ったこともない人間が、北京の伝統住居の建て替えを構想することの意味をよく考える必要がある。我々はどこまでも他者としてしか中国とはつきあえないし、より広い意味で住宅設計における設計者とはそういう立場しかとりえない。外部からみた人間として、ノスタルジーに依拠しない、リアルな都心居住のあり方を提案してもらいたい。
●敷地:中華人民共和国北京市東城区東四六条、敷地面積約193平方米。
●キーワード:現代都市、北京、四合院、架空施主
● スケジュール:
スタジオ準備作業 「中国、北京、四合院、都心居住などについての勉強会」
スタジオ
6/19(月):レクチャー:松原弘典「中国建築の現代(仮)」、スタジオガイダンス
6/26(月):エスキス、このあとその週内に施主からのレスを履修者にまわす
7/03(月):エスキス、このあとその週内に施主からのレスを履修者にまわす
7/25(火):最終講評会
●21世紀型アジア都市居住ワークショップ(助成金採択の場合実施)
参加大学:東北大学(仙台)、清華大学(北京) 期間:8/27‐9/2(7日間)
勉強会について
■主旨
中国の都市・建築・ライフスタイルの歴史的背景及び現在の状況を共有し把握する機会
■方法
文献、情報等を手分けして精読、整理し、発表及び共有できる媒体に整理する。
課題スタートまで4回程度を予定。
場所:製図室プレゼンスペースを予定
■スケジュール
4月27日(木)17:00〜
・勉強会の進め方
・必要テーマの整理
・文献等の割り振り
・スケジュールの調整
5月11日(木)17:00〜 review01 「歴史・都市」
・文献レポートの発表
・次回担当文献の割り振り
5月18日(木)17:00〜 review02 「建築」
・文献レポートの発表
・次回担当文献の割り振り
5月22日(月)ショートレクチャー&ディスカッション
講師:厳 爽氏(宮城学院女子大学)「現代中国の住まい、住まい方について」
6月1日(木)17:00〜 review03 「住まい」
・文献レポートの発表
■発表されたレポートを全員が使用できるツールに加工、共有可能に整理。
■参考文献
陣内秀信ほか「北京−都市空間を読む」鹿島出版会、1998年2月
陸翔+王其明「北京四合院」中国建築工業出版社、1996年3月
シンポジウム「都市居住の普遍と変容」妹尾達彦+伊藤毅、「すまいろん」2003年冬号、住宅総合研究財団、2003年1月
徐勇「胡同―北京下町の路地」平凡社ライブラリーoffシリーズ
ユン・チアン「ワイルド・スワン」、講談社文庫
建築文化 特集「アメイジング・チャイナ」、2004年10月号
超級アジアモダン 同時代としてのアジア建築 著者 村松 伸 鹿島出版会 1995
中国の都市と建築の歴史 著書 張在元 鹿島出版会
上海 都市と建築 1842-1949 著者 村松伸 parco出版
アジアンスタイル 著者 村松伸 筑摩書房 1997
図説 北京—3000年の悠久都市 村松 伸 (著), 浅川 敏 ふくろうの本 1999
中華中毒—中国的空間の解剖学 村松 伸 ちくま学芸文庫 2003
承孝相・張永和Works:10×2 承 孝相 (著), 張 永和 (著), 村松 伸 TOTO出版 2004
東洋建築史 図集
■参考HP
デヴェロップするペキン/松原弘典
http://www.com-et.com/colonne/005/
松原が北京の民間デヴェロッパーの開発物件に関してあつめたインタビュー集。今の北京の状況の理解に。
随感/多田麻美・林静
http://spaces.msn.com/members/dongxiang24/
北京に住むライター多田さんの雑感を書いたブログ。中国の社会にかなり入り込んだ人のブログなので庶民の生活観の手がかりになるかと。
胡同物語(胡同会掲示板)
http://www.blogcn.com/user55/hutongwuyu/index.html
胡同を回っている日本人グループの活動が伺える。路地ごとに散策した記録なので具体的にイメージしやすい。
胡同逍遥
http://www.blogcn.com/user26/zhangquanlinjing/index.html
日中双方の言語で北京での文化方面の出来事などを紹介している、参考に。