松原です

最終講評会お疲れさまでした、みなとてもがんばったと思います。
今年度は課題の規模が大きかったので、みなさんいくらでも
やることがあったのではないでしょうか?昨年度の、小さな
四合院を隅から隅まで設計する、というのとはまた少し違った
ものになってよかったと思います。


設計対象がある程度の規模を超えると、1人ですべてを決めることは
できなくなるし、すべてを細かく事前に予測できなくなるし、また
全体像をうまく想像することは困難になる。


つまり(自分以外の)他者や(想像不可能な)外部というものを
受け入れなくてはならなくなる。この割合が今年は去年より
圧倒的に大きくなった。大変だったと思います。


一方で大規模なりの楽しみ方もあったのではないでしょうか?
単位を繰り返すことによって得られる効果、単位の反復とその
変奏。さまざまなものを放り込んで並立させてもおかしくない
というような枠の広さ、要素の並置、秩序について考えること。
これらのことをより深く考えられるのは大規模設計の楽しみです。
こういうことに目覚めると、それはそれで危険、というか、
まあ設計がより楽しくなるですね。


最後の1か月で個人作業にして、どうなるかと思って心配して
いたんですが、小野田先生、坂口先生の仙台でのご指導が
効いたんだと思います。なんとかみなさん自分のテリトリーを
うちたてられたのではないでしょうか。


どうか最終講評会で言われたことをよく思い出して、もう一度
自分の作品として成果をまとめなおしてください。みなさんの
ポートフォリオの重要な一角を占めることを期待しています。


最終講評会は、私が芸大で卒業設計をしたときの建築科教室の
助手だった中田先生、東大で修士論文を書いた時の大野研究室の
助手だった本江先生がいらしてくださったおかげで、私もとても
緊張しました(参りました)。
なんだかいちばんはずかしいころの自分を知られている先輩の
方たちですので、偉そうなこと言えませんでしたし。これは
どなたかの策略だったんでしょうか…まあ冗談ですけれど。


各人の最終成果物は製本してまとめる、とのことでしたので
作業を引き続きお願いします。清華大学の先生方にも郵送の
ほう、よろしくお願いいたします。昨年度と同じく、成果物を
ウエブ上でもダウンロードできるようにしてください。


ではでは、お疲れ様でした。またどこかでお会いしましょう。


松原弘典/北京